歯科医師の高尾です。今年は梅雨入りが遅かったですが、いよいよ梅雨本番になってきました。

さて、今回は妊娠期のお口のことについて書きます。

当院にも妊婦健診で来院される方が多くいらっしゃいますが、妊娠期にはむし歯や歯周病になりやすいということをご存知でしょうか。

妊娠中は、唾液の酸性化や食事の変化、つわりの影響などで口腔内環境が変化するため、むし歯になるリスクが高くなります。

また、女性ホルモンの増加の影響で、歯周病細菌が増加し、歯周病が発生しやすくなります。他にも、妊娠性エプーリスといって歯肉に腫れ物のようなものができることもあります。

これらを予防するためには、歯の表面や歯周ポケットを清掃すること、歯石を除去すること、不適合な詰め物やかぶせものを治療することが重要です。

ちなみに、妊娠中の歯科治療は、妊娠中期（5~8か月くらい）でしたら基本的に問題はないとされており、産後は育児に追われてなかなか歯科受診ができないこともあるため、むし歯治療や歯周病治療は安定期に積極的に受けた方がいいと言えます。

また、親がむし歯になりやすいと子どももむし歯になりやすいと聞きますが、親の口腔常在菌が赤ちゃんに移って定着する可能性があるため、そういった意味でも出産前に治療を受けておいたほうがいいでしょう。

（写真は妊娠性エプーリス）