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歯科医師の高尾です。依然としてコロナウイルスの脅威が続いています。当院でも院内感染予防対策を徹底して行なっておりますが、検温の実施や手指消毒等にどうぞご協力下さい。
さて、今回は少し長くなりますが、「おもてなし」について書きたいと思います。
一般的におもてなしとは親切や気遣い、サービスのことを意味しますが、星野リゾート代表の星野佳路氏によると、本当の意味でのおもてなしとは、顧客の要望、期待に応えるだけではなく、顧客に気づいてもらいたいメッセージをしっかりと伝えることだそうです。
これを歯科医療に置き換えて考えると、患者さんに本当に気づいてもらいたい歯や口の健康の大切さや、それを維持する方法を患者さんに伝えることが本当のおもてなしではないでしょうか。
多くの患者さんが、「痛い」「腫れた」などの症状を訴え歯科を受診されます。症状の原因が歯にあるのだからそれを治療するのは当然ですが、本当の原因は歯に付いているプラーク(食べカスをエサに繁殖する細菌、バクテリア)です。患者さんが歯の治療を受けるに至るまでの流れは、下のようになります。
プラーク(原因)→ むし歯(結果)→ 痛み → 治療(歯を削る)
誤解を恐れず言えば、多くの方が治療されることを求めて受診されますが、原因のプラークのコントロールが不十分だから、結果としてむし歯や歯周病になり、痛みなどの症状が出るのです。
歯を削る治療を受けるだけではなく、原因に目を向けることで、歯と口の健康への意識を高め、原因を改善し、さらなる治療を受けなくていいようにする。それをサポートするのが、我々歯科医療従事者の役割だと思います。
下は、染め出しにより赤く染まったプラークが多量に付いている写真(左)と、プラークを除去した後の写真(右)